ピッコロを始める前にピッコロを知る
講師紹介
フルート経験者は、どこかのタイミングで必ず出てくるであろう【ピッコロに出会う】タイミング。ここでピッコロも始めようとお考えの方もいらっしゃるかと存じます。
本日はそんなあなたに、【ピッコロを始める前に知っておくと良いこと】を簡潔に書かせていただきます。
1. ピッコロってどんな楽器?
正式名称は【ピッコロ・フルート】です。ピッコロとは、イタリア語で〈小さい〉という意味。フルートの短い楽器の名称がピッコロ、というわけではないのです。全長が短く、軽量でコンパクト、フルートより1オクターブ高い音域の楽器です。
構造やメカもフルートとは異なる部分が多く、調律にもオーボエやクラリネットなどの要素が求められます。実音は、記譜と比べて1オクターブ高くなります。
2. フルートとの違い・演奏時の注意点
息のスピードや角度がシビアで、「このあたりにこんなかんじ」ではピッコロは良い音を出してはくれません。そのため、フルート演奏時の基礎がしっかりできていない場合、アンブッシュアなどを力ませないと音が出ないなどの現象が起こります。
また、音が通りやすく高周波、オーケストラでは一番高い音域を担います。人間の耳は低音よりも高音のほうが聞こえやすく、認知しやすいこともあり、アンサンブル時などは少しのミスも目立つ楽器です。
3. ピッコロを始めるメリット
ピッコロ演奏が上手だと特に、吹奏楽やオーケストラで重宝されます。アンサンブル時の役割もフルートと異なるため、フルート奏者としての幅や個性・表現も広がり、新たな発見や楽しみに出会うことができます。
・ピアノ協奏曲ト長調(M.Ravel)
・交響曲第9番(L.Beethoven) など
4. ピッコロって難しい?よくあるつまずきと対処法
音程が安定しない
耳を育てることが必要です。まずはチューナーなどを利用して音程を確認し、自分の耳で聞き、判断することも意識してみましょう。
息が入りすぎる・雑音が多い
ピッコロは、フルートと比べて歌口が小さい楽器です。フルートと同じ息の量では多すぎます。このことを知るとともに、息をコントロールすることも意識してみましょう。
日々の状態が違うように感じる
天候や湿度の影響を受けやすく、木管管体のものにはよくあることです。日々の管理を丁寧に、定期的に調律師さんに見てもらうことも忘れずに行いましょう。
また、ヨーロッパ生まれで木管管体のピッコロにとって、高温多湿の日本の気候は慣れやすい環境ではありません。ピッコロ用に販売されている湿度調整剤なども適宜活用しましょう。
5. 初心者におすすめのピッコロと選び方
最初は安価なものでも問題ないかと考えますが、すぐに購入することは避け、試奏を重ねて相性の良い楽器を選びましょう。
その、あなたの【最初の一本目】が、あなたに【ピッコロの演奏方法】を教えてくれます。ごく最初は樹脂製のものも良いのかもしれませんが、個人的には木管のものを推奨いたします。
6. ピッコロの練習法
まずは1日5分のロングトーンから始め、〈音を出す〉ことにこだわりすぎないようにしましょう。このときに、力んで無理に音を出すとそれが癖になり、力まないと吹けなくなることもあります。
最初は音を出すことよりも、体の使い方などの基礎に重点を置きましょう。

これに慣れてきたら複数の音を並べる・音程を安定させる・チューナーを利用した練習なども取り入れてみましょう。
7. ピッコロを試してみたい方へ
楽器店などでのレンタル・試奏などでまずは実際に吹いてみるのが一番良いかと存じます。「音が合うか」「感触が好きか」などを確かめましょう。また、ピッコロは、楽器と奏者の相性が重要です。楽器購入も慌てず〈時間をかけて自分にあったピッコロを探す〉と思って、試奏を重ねましょう。
8. まとめ
フルートと類似点もあるため、「フルートの短いものがピッコロ」と考える方もいらっしゃるかと存じます。しかし、ピッコロとフルートは、構造やメカなども異なる【別の楽器】であり、ピッコロは〈特殊管〉という部類に入ります。楽器購入や練習も、トントン拍子に進めるよりも、ゆっくり慣れるところから始めましょう。
これを知っていただいていれば、もうピッコロとお友達になる準備は万端です。私達と一緒に、新しいピッコロの世界の楽しみを体感しましょう! ピッコロは確かに繊細で、少しのミスやコントロール不備もシビアな反応で返してきます。しかし、決して〈大変な〉楽器ではないのです。ピッコロ初心者さんはもちろん、【ピッコロは挑戦したけど難しかった】というピッコロ経験者さんも、是非無料体験レッスンにお越しください。
私達はあなたに寄り添い、あなたのペースでピッコロを楽しむサポートをさせていただきながら、「嬉しい!」「できた!」「楽しい!」をご共有させていただけることを楽しみにお待ちしております。
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