フルートとピッコロの違いを知り、体感する
講師紹介
フルートをある程度学んだ方・楽団で演奏される方は、【ピッコロ】を意識されることがあるのではないでしょうか。しかし、両者の具体的な違いは何なのでしょうか? 本日は【フルートとピッコロの魅力と違い】について、ピッコロ初心者さんに向けて、簡潔にお話いたします。
1. フルートとピッコロの魅力
ピッコロは高く軽やかな音・他楽器との連動や表現の多様性・可愛い音がとても魅力的な楽器です。また、小型であるため持ち運びしやすいこともポイントですね。
2. フルートとピッコロの基本的な違い
まずは、外見の違いを見てみましょう。
構造とサイズ
フルート

フルート
ピッコロ

ピッコロ
ピッコロはフルートの約半分ほどの長さで、素材も木管が一般的です(金属管体も流通しています。)。
音域と音色
フルート
基本は3オクターブ分の音域で、柔らかくまろやかな音色。
ピッコロ
フルートの1オクターブ上の音域、鋭く輝く音色。(オーケストラで目立つ)
オーケストラでは、ピッコロは一番高い音域・二番目に高い音域をフルートが担います。
演奏時の姿勢・息の使い方
姿勢はどちらも大きな違いはなく、息の使い方やコントロールは、ピッコロの方がかなり繊細で決然とした反応を返してきます。
使用シーン
フルート
ソロ・室内楽・吹奏楽・オーケストラなど幅広く活躍。
ピッコロ
オーケストラや吹奏楽などで、特定の楽曲(交響曲やマーチ・現代音楽など)で活躍。
フルートとピッコロは相違点が多く、当教室では最初は簡単に「構造やアプローチが違う・共通点は運指くらいで、フルートの応用がピッコロです」とお伝えしています。
3. フルート経験者がピッコロを始めるメリット
ピッコロは音程や息の使い方などがシビアなため、フルート演奏時の音感を高め、細部への配慮・コントロールすることに繋がります。
共通点
運指がほぼ同じで、応用できる部分・基礎的な共通点も多くあります。
メリット
フルート演奏を安定させることにも役立ちます。また、フルートの音程感・音色の多彩性が増し、表現の幅が広がります。また、吹奏楽やオーケストラで「ピッコロ奏者」として重宝されることにも繋がるでしょう。
実際の声
ピッコロは音を出すのが大変で、長らく吹いていませんでした。何が違って、どう演奏すべきかわからず「ピッコロって厳しい」とはじめは思いましたが、今ではとても楽しく、楽器にも愛着が湧きました。 今では吹奏楽でピッコロが当たると「よし、頑張るぞ!」と張り合いがあります。
4. ピッコロを始めるための練習法
1. アンブシュアの調整
ピッコロは歌口が小さいため、細やかに息や体を使いましょう。
練習例
まずは呼吸法や体の使い方などの見直し、確認する。
2. 呼吸法の強化
ピッコロは空気に圧力が必要な楽器です。鋭い息を使えるようにしましょう。
練習例
力まずに鋭い息を出し続ける。
3. 音程のコントロール
ピッコロは音程が不安定な楽器です。チューナーを使って音程を確認しましょう。
練習例
スケール(Dメジャー、Cメジャーなど)をゆっくり吹き、音程を確認しましょう。
4. ピッコロ特有の運指練習
これは音程感に関連する替え指が主なものではないでしょうか。よって要所要所で使えれば問題ありません。
5. 楽曲で慣れる
例
簡単な童謡やスケールとアルペジオ・フルート教本の簡単な部分・クラシックの簡単なバロック音楽など
同じ曲をフルートとピッコロで吹き比べ、音色や吹奏感などの違いを体感するのも良いでしょう。
補足
ピッコロ演奏時は必ず耳栓を使用し、防音環境を整えることを推奨いたします。ピッコロは高周波な音を発するため、聴力低下や突発性難聴など、耳を痛める危険があります。耳に入る響きを抑える程度で十分であるため、耳の置くまで耳栓を入れる必要はないのですが、どの音域であってもピッコロ演奏時は耳栓を使用しましょう。
また、防音環境であってもピッコロの音はかなり遠くまで届いています。遅い時間帯の演奏時には周囲への配慮もあると安心です。
5. ピッコロ演奏の心構え
ピッコロ奏者は、【大海原に一人で飛び込む度胸と腹積もり】が大切です。精神論のようにも聞こえますが、ピッコロの特性を考えると必要なのです。
1. 最初は音が出にくいことを受け入れる
フルートの基礎がしっかり出来ていないと、ピッコロ演奏は難しいことがあります。焦らずにピッコロに慣れていきましょう。
2. 小さな成功を積み重ねる
最初は楽に力まずに吹けること・短い音列を綺麗に吹くことを目標にしましょう。
1音ずつ、体や唇を力ませずに吹くようにする。
3. ピッコロの役割を理解する
ピッコロは「目立つ」楽器です。周囲への影響力があることを知っておきましょう。
4. フルートとのバランス
ピッコロのみではなく、フルートと並行してピッコロを学び、技術面・表現面での違いを体感しましょう。
5. 楽しむことを忘れない
ピッコロの役割や音色を楽しみながら、アンサンブルなどでも演奏してモチベーションを維持しましょう。
ピッコロ難しい!フルートも難しい!でもとても面白い!(SNSより)
6. よくある質問と回答
ピッコロはフルートより難しい?
はい。フルートの基礎がきちんとできていない場合、音の出し方や音程のコントロールが難しいことがあります。とても繊細な楽器であるため、奏者にも体や息の使い方など、繊細さが求められます。
ピッコロは自分で買うべき?
最初はレンタルや学校の楽器で試し、慣れたら初心者モデルの購入を検討しましょう。ピッコロは奏者との相性がとても大事です。長期的にご自身に合う楽器を探しましょう。
ピッコロの練習時間は?
1日5分〜30分です。
耳への影響は?
ピッコロの高周波音は耳に負担がかかるため、耳栓を活用しましょう。
7. ピッコロで新たな音楽の扉を開こう
楽団などでフルートを演奏していると、ピッコロにも触れます。ピッコロは繊細で表現力が高い楽器です。【ピッコロを煩いと感じさせず、綺麗な音色と適切な音程で演奏する】ことができれば、あなたは今よりもっと重宝されるでしょう。
まずは楽団や楽器店などでのレンタルや試奏から始め、リコーダーやフルートの曲・楽団内でピッコロを演奏してみましょう。
メッセージ
ピッコロの輝く音色で、音楽の楽しさがさらに広がります! ピッコロで新しい表現の可能性を探る楽しさを私達と一緒に発見しましょう! 無料体験レッスンで是非体感してみてください。
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