上達するのと同等に、大事なことがある

講師紹介
フルートを教えるとき、私はいつも自分に問いかけています。
「この方は、10年後もフルートを楽しんでくれているだろうか?」「何かあった時にフルートを辞めるだろうか?」
技術はもちろん大切です。でも、それだけでは続きません。
私の教室に通う生徒さんが、年単位で継続し、上達し続けている理由をお伝えします。
1. 多くの教室が忘れがちなこと

フルート教室はたくさんありますが、「指を速く動かせるようにする」「難しい曲を吹けるようにする」ことに集中しすぎて、音色が後回しになったり、楽しさが失われたりするケースが少なくありません。特に、基本である構え方やお掃除の仕方・体の使い方などは「教わったことがない」「教えてもらえなかった」「先生も指摘しないので、そもそも必要・間違っていると思わなかった」というびっくりなお答えをいただくことも。
結果、生徒さんは「上手くなった気がしない」「練習が義務みたいで辛い」「人前で吹くのが怖い」「吹けはするけど音が汚い」「棒吹きに聞こえる」などの悩みを抱えてしまいます。
私は日本で、また、スイスで学んだとき、先生方から教わったのは技術だけではありませんでした。人生で初めてのレッスンは、楽器の扱い方・心得・掃除の仕方・頭部管のみの単音の音出しで終わりました。
「楽音」「Musizieren (音楽する) 」「楽器は体の一部」
これが私の演奏・指導の原点です。
2. 私のフルート指導の3原則

原則1:最終的には音色を最優先に
レッスンの最初から、ある程度のことができるようになったら音色探求を望む方が大半です。これを最初から視野に入れて、あなたのカリキュラムを作成します。そのために、楽しく指使いや教本・簡単な曲を進めていただきながら、「綺麗な音」を出せる体を作ります。
音色のことにあなたの目が向いた時や、それができる段階になったら、音についてお伝えするとともに、「あなたの音色」を徹底的に磨きます。スイス仕込みの欧州のアプローチで、息の流れと共鳴・可能な限りの効率を重視してレッスンを進めます。
綺麗な音が出るようになると、自然と「フルートって気持ちいい!」「フルートの音って綺麗!」と感じていただけます。
原則2:自信を育てる
「できた!」を小さな単位でたくさん味わっていただきます。厳しく指導したり、叱るのではなく、「ここが前より良くなった」「ここが前よりも精度が高まった」など具体的にお伝えします。
録音を聴き比べて成長を実感していただくこともあります。しかしその前に、ご自身の耳で聴いた音や吹奏感で、圧倒的な違いと上達を実感いただけるケースが大半です。
自信がつくと、練習が楽しくなり、不明点を理解でき、もっと上達する好循環が生まれます。モチベーションも高まるため、「団内でソロを吹きたい」「ピッコロに挑戦したい」「コンサートを開催してみたい」「中級に昇級する」など、対外的発信に目を向けられる生徒さんも数多くいらっしゃいます。
原則3:楽しさを忘れない
生徒さんの好きな曲を積極的に取り入れ、「このフレーズはどんな感じ?」とイメージの具現化を促します。これは、楽しさを高めると同時に、音楽性の引き出しの数を増やし、深化させる目的もあります。
音楽表現が楽しくなるため、色々な曲や教本・音色を演奏したり増やせるようになり、楽しさや表現の幅が大きく広がります。また、技術練習もゲーム感覚やイメージトレーニングで、効率やできるようになるまでの時間が大きく短縮されます。
フルートは「義務」ではなく「喜び」であるべきなのです。
3. 3原則を実践した生徒の変化

音を出す前に、音を「感じる」時間を大切にしています。
Cさん(40代女性・初心者)
「音が汚くて、練習や人前での演奏が嫌になってしまった」と、体験レッスンにお越しいただきました。
現在
「由佳先生に褒められながら音色が良くなり、毎日フルートが楽しみです。ご近所さんも理解ある方が多かったのですが、先日『いつもフルートの音色が綺麗で、癒やされます』と声をかけていただき、すごく嬉しかったです!」と、大変嬉しい変化がありました。
Dくん(小学生)
「フルートは好きだけど、練習が嫌い」と、他教室様より移って来られました。
現在
「由佳先生の練習はすごく楽しい! 好きなアニメ曲を吹けて、前よりフルートが好き!」とにこにこ笑顔で話してくれました。
このように、音色が良くなり → 自信がつき → 楽しさが続くため、生徒さんは自然に練習を続けることができ、上達していきます。
4. なぜこの3原則がバランスよく必要か

音色だけでは「綺麗だけど自信がない」、自信だけでは「自信はあるけど音色が悪い」、楽しさだけでは「楽しいけど上達しない」
これは当然のことです。どれかひとつだけで構成されていないからです。
3つが揃ってこそ、フルートは一生の友だちになります。私のレッスンでは、このバランスを常に意識しています。
このバランスが崩れた時、根性論や『フルート演奏が義務になる』ということが発生するのだと感じます。
5. フルートは「上手くなる」以上に「好きになる」ことが大事

フルートは、個人の美意識や息が直接的に反映される楽器です。繊細であり、感性や感覚が大事な部分もあります。だからこそ、指導は技術をお伝えするだけでなく、生徒さんの心に「音楽を楽しむ喜び」を灯すものであってほしいのです。
お子様は特にそうですが、「練習しないといけない」「これでできるようになるかわからないけど、やらないといけない」と思った瞬間に、芸事は拷問に変わります。そしてその負担は少しずつ大きくなり、やがては音楽や楽器からの離脱・嫌悪を招きます。
私の教室では、スイスで学んだ本格的な技術を基に、音色・自信・楽しさの3原則でレッスンを進めています。そして、そう感じられる心を尊重し、育成し、オープンな環境で伸ばすこともまた、大切なことなのです。
これは、情操教育という観点においても、大切なことのひとつです。
最後に
もし「フルートを心から好きになりたい」と思われたら、ぜひ無料体験レッスンで、当教室の3原則を体感してください。対面でもオンラインでも、私達はあなたのペースに、優しく丁寧に寄り添い、併走します。きっと「フルートって、音楽って本当に楽しい!」と感じていただけるはずです。
あなたのフルートが、音色も自信も楽しさも満ちたものになりますように。
補足情報
著者情報
日本には『好きこそものの上手なれ』という言葉がありますね。私はこの言葉がとても好きです。素直さと無償の愛が根底にあるからです。
前回レッスン時にできなかったことができ、「素晴らしい!」と言った師匠は、喜ぶ私の言葉を遮り、『Yuka,ende gut, alles gut!』(ユカ、『終わりよければ全てよし』よ!)と笑顔で言ったのです。過程を聞くより、先に進めるべき場面だったからでしょう。
しかし、『無償の愛をわざわざ語る必要はない』という意図もあったのかもしれませんね。
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