“フルートの調子が悪い”に正対する
講師紹介
フルートの音がおかしいと感じますか? フルートの調子を整えるための基本メンテナンスを紹介します。フルートなど楽器はメンテナンスが必要です。しかし、ご自身で行っていただけるものや、行っていただくことで未然に防げるトラブルもあります。本日は、フルートの調子を整えるための基本メンテナンスについて、簡潔にご紹介いたします。
1. フルートの調子が悪くなる原因
汚れや湿気
管内の湿気・メカ周辺の汚れや湿気が音色やメカの動きに影響を与えます。
タンポの劣化
メカの調律の狂いや、タンポ(パッド)の劣化や皮の破れにより、トーンホールとキィの間に隙間ができることがあります。すると、キィを塞いでもそこから空気が漏れるため、音が出なくなったり、雑音が混ざることがあります。
キーの調整不良
上述したことに付随しますが、調律が狂うなどしてキィがうまく動かない・キィアクションが鈍くなると、音を出すことに影響します。
2. 日常のメンテナンス
管内の清掃
クリーニングロッドと布の使用
演奏後は、掃除棒(クリーニングロッド)やガーゼ・クロスなどを使って管体内の水分などを拭き取りましょう。
初心者さんで、稀にこの工程を行わない方がいらっしゃいますが、演奏後は必ず行いましょう。
表面の清掃
管体中が綺麗になったら、クロスを使って、管体部分についた汗や皮脂を拭き取りましょう。
キーのクリーニング
キーの表面を拭く
キィの表面にも汗や皮脂が付着しています。メカに負担をかけないよう、優しく拭き取りましょう。
3. タンポのチェックとケア
タンポとキー
気密性の確認
キィが完全に閉じ、トーンホールとの隙間がないかどうか確認してみましょう。調律が狂っている場合、色々な角度から見ると隙間が開いているのが見えることもあります。
タンポの感想と湿気
タンポは湿気すぎても乾燥しすぎても痛みます。演奏後はクリーニングペーパーなどを挟んで水気を取っておきましょう。
4. キーの調整
キーの動きを確かめる
キーがスムーズに動くか
キィアクションがおかしなところはないか、引っ掛かりがないか、同じ速度でキィが開閉するかどうか、実際にキィを動かして確かめてみましょう。おかしければ初心者さんでも気付けることがあります。
ネジやバネ
緩みやきつさ
キィアクションに違和感を感じても、ご自身でドライバーなどを使って直そうとしないでください。自分で触らず、必ず調律師さんがいる修理店で、フルートのメンテナンスを依頼しましょう。
5. 楽器の保管
保管場所の選び方
温度と湿度・直射日光
フルートは、人間が心地良いと思う環境を好みます。あなたが〈乾燥しておらず、湿気てもない〉と感じ、直射日光が当たらない暗所に保管しましょう。
ケースとカバーの使用
楽器を保管する際は必ずケースに入れ、そのケースをカバーに入れて保管しましょう。乾燥や湿気がカバー内で緩やかに変化するため、タンポやコルクなどの自然素材へのダメージが軽減されます。また、物理的なダメージを緩和する役割もあります。
6. 専門家への依頼
調律師によるメンテナンス
年次点検
定期的に調律師さんのところに楽器を持ち込んで、メンテナンスを依頼しましょう。フルートの調律は楽器の中でも一番繊細で、吹かずに置いておくだけでも、少しずつ自然素材は動いて調律は変わっていきます。
大規模な修理
自分で分解する・調律するのは控えましょう。大きく修理・設定を変えるなどの際は予算も出してくれ、「ここは変えないほうがいい」などのアドバイスもいただけます。ちょっとしたことでも必ず調律師さんに見てもらうようにしましょう。
7. 初心者向けの注意点
過度のメンテナンスの危険
やりすぎの弊害
楽器を分解したり、部品などを交換することは、楽器にも負担がかかります。どんなに練習する人でも年に1回調律すれば充分です。それ以上の頻度で調律することを勧められたら、その場で承諾せず、一度持ち帰って本当に必要かどうか、考え直してください。
メンテナンスの習慣化
定期的なケア
上記で述べたように、年1回の調律で済むように、修理が最低限のもので済むように、日々のお掃除やメンテナンスを怠らないようにしましょう。これを怠っていると、楽器を買い替える他ない、ということも起こります。
結論
フルートのメカは繊細
フルートは、楽器の中でも一番繊細で、メカや調律が複雑な楽器です。金管楽器は清掃などは奏者自身が行えますが、フルートは清掃でさえ調律師さんにお任せしなくてはいけません。気づかないところで大きな狂いがあることもあります。調子を保つためにも、定期的なメンテナンスと日々のお手入れを怠らないようにしましょう。フルートや木管楽器にとってとても大切なことです。
最後に
フルートの調子を良い状態で保つためにはどうしたらいいのでしょうか? 例えばあなたが風邪気味だな、と感じた時、普段と同じことのみ行いますか? 恐らく違うと思います。薬を服用し、温かいものを飲んで早めに休むでしょう。フルートにも同じようなことが必要です。フルートをいつでもベストコンディションに保ち、違和感をすぐに察知できるようにしておきましょう。お手入れの仕方・掃除の仕方・扱い方も、全て無料体験レッスンで確認しましょう。
補足情報
著者情報
これまでたくさんの生徒さんや奏者を見てきましたが、扱い方が間違っている方、調律師さんのメンテナンスに持ち込まない方、たくさんいらっしゃいました。普段のお手入れを怠ったせいで楽器が再起不能になり、買い替えるより他なくなった方もいらっしゃいました。フルートも、他の楽器も、直しながら使っていくものですので、【直せる状態】を保ちましょう。直せる状態でなければ、調律師さんでさえ直すことが難しいのです。せっかくご縁あってあなたのお手元に居る楽器です。大事にしてあげてくださいね。
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