“音色が安定しない悩み”を解き明かす
講師紹介
フルートの音色が安定しないと感じたことはありませんか? そのお悩みを解消する方法をご紹介します。「前回は綺麗な音が安定して吹けていたのに今日はそうではない」と感じたことがあるはずです。
これには温度や天気など様々な要因がありますが、奏者がどのように音色を安定させているのか、気になったことがおありではないでしょうか。音色は、その人の精神であり心です。
音色の探求は楽器を続ける限り続き、特にフルートにとって音色の探求は最も重要なのです。それに、「昨日は良かったけど今日はだめです」とは言いたくありませんよね。
この記事では、フルート講師として【フルートの音色が安定しないときの解決策】について、簡潔に書かせていただきます。
1. 音色の基礎理解
音色・音色の安定とは
音色は、音の周波数やその比率・大きさなどによって分類されます。明るい感じ・暗い感じなどもそうです。これを変化させることでニュアンスを聞き分けることができ、また、安定させることもできます。
安定性の問題点
音色が不安定になる大きな要因として、環境要因があります(気温・天気など)。その他奏者の息や体の使い方・状態、稀に楽器の調律具合や金属の特性なども要因となります。
2. 息のコントロール
エアサポートの強化
息の流れを安定させる
呼吸が浅くなっていないかどうか、胴部全体を使えているかどうか、まずはこの確認を行いましょう。
腹式呼吸の使用
胸や肩を使って、一生懸命に大きく「吐いて」いては、息は不安定なままです。これを安定させ、効率よく、大きくも小さくも吐けるのが腹式呼吸です。楽器演奏時はこれを常用するよう心がけてください。
3. アンブシュアの調整
唇の形と位置
唇の形
真顔の状態の唇の形から、かけ離れた状態にするのは控えましょう。唇の形を作るということは、唇に力を入れることに繋がるためです。
唇の位置
フルートの歌口(息を吹き込む穴)を塞ぎすぎないように、下唇でほんの少し塞ぐ程度の位置に当てましょう。また、頭部管や歌口をご自身の方・外側に向けすぎないよう気をつけましょう。
4. 楽器のメンテナンス
フルートの調整
パッドのチェック
キィをゆっくり動かして、パッドがきちんとトーンホールを塞いでいるか確認しましょう。しかしフルートの場合は特に、毎年定期的な調律を行っていれば滅多に気にする必要はないと考えます。
結露について
夏と冬は特に管体内が結露しやすく、キィの内側(パッド部分)にその水が付着することがあります。この水がキィアクションを阻害し、パッドが痛むため、クリーニングペーパーなどで水分を除去しましょう。
5. 実践的な練習法
ロングトーン
音を維持する
1音のみを長く、安定して出します。ただ音を出すのではなく、体や音の状態を確認しながら音を出しましょう。
ダイナミクスのコントロール
音量の変化
フルートは、物理的に大きな音が出ない(出しにくい)楽器です。よって、特にフルートには、音量に幅があることも大事です。しかし、どの音量のどの音も、【綺麗な音】であることが条件です。
スケールとアルペジオ
均等な音色
音色や音量を安定的に演奏できることも必要です。例え楽曲内でそれが必要ないとしても、楽器を自在にコントロールできる必要があります。後にこれが、安定していながら多彩な音色を生み出すための大事な要素になると考えます。
6. 心理的な側面
リラクゼーションと集中
緊張による影響
演奏時の適度な緊張は必要ですが、ストレスやプレッシャーがかかった心理状態から来る身体的な緊張は音色が荒くなり、音色を不安定にさせます。リラックスして演奏しましょう。
マインドフルな演奏
自分の音や音色が綺麗かどうか、確認や内観をしながら吹きましょう。綺麗な音色になったら【どうして綺麗な音色になったのか】を考察するのが大事です。
7. 成功例と生徒の声
実際の改善体験
綺麗な音色が不安定なのが嫌だ、と仰る中村さん(仮名)に私がご提案したのは【基礎練習をただの音出し練習にしないこと】でした。細部を聴き、考察し、確認しながら進めていただいたところ、調子が悪いと思う時の程度も向上し、「いつものデフォルトは70-75点くらい」とご本人が自己評価できる程に音色が安定されました。
結論
どんな音色を望むか?
音色の安定性を高めるには、心身の状態を知り、【何をしたら安定し、何をしたら安定しないのか】を理解することが大事です。そして、【どんな音色をデフォルトにしたいのか】を明確にしておく必要があります。綺麗な音・きらきらした音、最初は何でも良いです。自分の美意識の元、どんな音が自分の分身になっていてほしいかを明確にし、具体化しながら再現性を持たせましょう。そうすると音色は安定してきます。
最後に
あなたの音色を安定させ、美しく響かせるための指導はここにあります。どんなものなのか、何に気をつければいいのか、自分の音の本当の綺麗さも、無料体験レッスンで確認してみませんか?
音色に関する悩みを解決できたら、と悩むのはもうここで終わりにしましょう。終わりへの始まりに向けて、今すぐレッスンを予約しましょう!
補足情報
著者情報
私が留学した時、先生同士の会話で、「ユカはポテンシャルがあり、音楽性も素晴らしいが、音が汚い」と言われていたそうです。ですが今は【音が多彩で綺麗、安定している】ことが大きな強みだ、と評価いただくまでになりました。音色は十人十色、音色が綺麗なことは最大で唯一無二の魅力になるのです。
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