楽器演奏のレッスン
講師紹介
文化は人類の文明の発達と対となり、「変化しながら継承」されてきました。レッスンはこの、継承という部分に当たります。
楽器演奏の継承において、レッスンは欠かすことのできないものですが、現代では主に対面形式・オンライン形式の2つの方法が用いられます。
本日は上記2つの形式のメリットとデメリットについて、簡潔に解説いたします。お手隙の際にご一読いただけますと幸いです。
1.完全個別指導の対面レッスン
講師と生徒さんが対面形式で、直接マンツーマンで技術や考察などをレクチャーしたりコミュニケーションを取る場のことを指します。この形式が古くから、そして現代においても、文化継承に際し一番多く取り入れられてきた手段ではないかと推察します。
1−1. 対面レッスンのメリット
レッスンの時間全てがその生徒さんお一人に集約されるため、教示・教授される内容が濃いことが挙げられます。その生徒さんにとって必要なことが優先順に濃い密度で考察され、必要な情報が解説され、解決方法や最適な方法が提案されていくため、生徒さんはスピード感を持って上達されます(ただし生徒さんの練習頻度も影響します)。
実際に演奏者や講師がどのように演奏しているのか、間近で観察したり体感し、実感することも可能です。また、小さな疑問や他者がいる場では聞きにくいことなども気軽に質問できる点もメリットのひとつです。
<対面レッスンの長所の要約>
- レッスン内容が濃く、また、各々に合わせられている。
- 上達スピードが早く、五感をフル活用して学び、感じることができる。
- 小さな疑問も事細かに質問することが可能である。
1−2. デメリット
上述したことに付随して、改善点や弱点もはっきりと見えてくるため、その点をあまり指摘されたくない生徒さんには居心地の悪い時間も生まれます。
もちろん、講師側でも言葉・指摘や提案の仕方に配慮はしておりますが、対面で指摘をさせていただくため、例え配慮がなされていたとしても生徒さんが不快に感じられることも有り得ます。
また、移動時間をスケジュール上で確保しておかないといけない・レッスン場所まで出向く手間と交通費が発生する点もデメリットと言えます。(講師の交通費は生徒さんのご負担とならないこともあります)
<対面レッスンの短所の要約>
- 対面であるがゆえに、必要以上にきつい指摘だと感じ取ってしまうこともある。
- レッスン時間の他に移動時間を確保する必要がある。
- 交通費が必要となる。
2.オンラインレッスン
インターネット回線・ビデオ通話などの機能を利用して、講師と生徒さんが画面越しにレッスンを行うものです。特に2020年以降取り入れられるようになった方法であると推察します。
2−1. オンラインレッスンのメリット
インターネット回線を利用するため、移動時間や交通費の確保・負担の必要がありません。また、インターネット接続が可能・楽器演奏が可能である事などの条件を満たすことができれば場所を問わないため、国内外問わずレッスンへの参加が可能となります。
生徒さんのご自宅や、普段から練習場所として利用している施設などでも利用できるため、外出準備や荷物をまとめる必要もなくリラックスした状態でレッスンに参加できるのもメリットのひとつです。
<オンラインレッスンの長所の要約>
- 移動時間や交通費を確保する必要がない。
- 条件を満たす部屋であれば国内外のどこにいてもレッスンに参加できる。
- 慣れ親しんだ場所からリラックスした状態でレッスンに参加できる。
2−2. デメリット
画面越しでのレッスンとなるため、対面でのレッスンのように五感を使って感じ取ることは難しくなります。ビデオ通話などの機能は人の声を伝える技術には特化していますが、音を伝えることには特化していません。
そのため、あまりに大きい音や高周波の音は自動で制限をかけたり、電波状況が悪ければ音はもちろん、自分の声さえも相手に聞こえない場合があります。音楽的な部分も上記の理由から、講師・生徒さんともに相手に伝えにくい状況にはなることがあります。
また、画面には演奏している生徒さんや講師の一部(顔のみ・バストアップなど)しか映らないことが大半であるため、複数部位についての同時指摘も難しい点がデメリットとして挙げられます。
これは、より画面が大きいデバイスを利用するか、自分よりもかなり遠くにデバイスを設置するよりほか、現時点での解決策はないと言えます。
<オンラインレッスンの短所の要約>
- 画面越しでは五感を使って直接感じ取れない部分が出てくるため、理屈は理解できても感覚的な部分や、具体的に実践する際に不明点が出やすい。
- 音楽的表現や高周波の音や一定以上の音量に自動補正がかけられた状態で音声が出力され、また、インターネット回線を使用するため、聞き取りにくい・タイムラグが発生する場合がある。
- 体の一部分しか映らないことが大半であるため、総合的な観察・考察・アドバイスを受けることが難しいことがある。
3.私に合うのは「対面」と「オンライン」のどちら?
結論
対面レッスン・オンラインレッスンにはどちらもメリットとデメリットが存在します。時間の制限や距離の問題など、レッスンへの参加に際して妨げとなる問題は生徒さんによって違うため、個人的には【一番解決したい問題】を解決できる手段を選んでいただくのが良いのではないか、と推察します。
3−1. 遠方にお住まいの生徒さんのケースの場合
例えばレッスンに通うのに、公共交通機関の在来線を使って通える移動時間ではない場合はオンラインレッスンをご選択いただくほうが良いと推察します。新幹線や飛行機で定期的に通う場合、交通費だけでも大きな金額になります。また、移動時間も長くなるため、その時間は練習時間に充てるほうが建設的と言えます。
3−2. 同県内・隣県にお住まいの生徒さんのケースの場合
上述した、3-1のケースの反対、つまりレッスン場所に通い続けることに大きな妨げがない場合は対面レッスンをご選択いただくほうが良いと推察します。オンラインよりも対面のほうが情報を多く受け取ることができ、五感をフル活用できるためです。
移動時間・交通費は必要になりますが、これをかける価値・これ以上に価値のある時間を過ごすことができます。
4. 当教室のオンライン生徒様とのモデルケース
「yukita (ユキータ)フルート&ピッコロ音楽教室 / 川崎」のオンラインレッスンをご利用いただいている生徒さんは、時間に制約がある・遠方にお住まいであることが理由で対面レッスンに継続して通うことが難しい生徒さんが多いです。生徒さんは携帯電話とビデオ通話ツールを利用し、画面越しにレッスンに参加していただいています。
レッスン中は生徒さんに携帯電話を譜面台などに立てかけていただき、演奏中の状態を見させていただいたりコミュニケーションを取っていきます。また、国外にお住まいの生徒さんは時差の問題さえ解決してしまえばご勤務の合間でも、また、旅行中・海外出張中でもレッスンにご参加いただけるので、楽器と共に旅をしながら日常生活の中にレッスンを溶け込ませてくださっています。
5. 当教室をお選びなったその先の未来
「yukita (ユキータ)フルート&ピッコロ音楽教室 / 川崎」のオンラインレッスンのモデルは対面レッスンです。オンラインレッスンであるがゆえに対面レッスンに引けを取る部分が一時的に発生することはありますが、これは手段の違いによる妨げでしかありません。
そのため、レッスン自体は対面レッスンさながらに、まさにオンラインでの対面レッスンが行われます。生徒さんにはデバイスの角度を変えていただきながら、また、動いていただきながら、デバイスやツール側で制限される情報をさらに凌駕する情報を多角的に分析・考察・解説し、最善の方法をご提案しています。
対面レッスン同様、不明点はその場で解決するまで深堀りするため、レッスン後に再現性を持たせることも対面レッスン同様に可能です。前述したように「yukita (ユキータ)フルート&ピッコロ音楽教室 / 川崎」にとってオンラインとは、あくまで手段です。この手段で制限される情報量は極力少なくなるよう最大限の配慮をさせていただいていますので、オンラインレッスンであっても対面レッスンに引けを取らない上達・改善を見込むことができます。
最後に
昔と違い、今は1つの目的に対して複数の選択肢が見えるケースが多々存在します。問題が全て解決できるベストな選択肢があればそれが一番良いのですが、そうでない場合、前述した【一番解決したい問題】が何なのかにフォーカスし、それが解決できる手段をご選択いただければと存じます。また、当記事が、現在レッスン手段について迷われているあなたのお役に立てましたら大変嬉しく存じます。
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