「どのモデルを買えばいいかわからない」——その悩み、当然です

講師紹介
フルートを始めようと思ったとき、最初に立ちはだかるのが「楽器選び」です。
「何を基準に選べばいい?」「情報が多く、よくわからず、余計に迷う」など、ご不明点や予算・価値観なども様々お有りかと感じます。
今回は、これからフルートを始めたい方、または楽器選びで迷っている方へ向けて、楽器選びの考え方と、私がおすすめできるモデルをまとめました。
個人的見解も含みますが、お役に立てますと幸いです。
1. 楽器選びの前に、まずお伝えしたいこと

楽器選びの話をする前に、一つだけお伝えしたいことがあります。たった1本の楽器に全てを求めないでください。あなたが今その楽器に何を求めるか、優先順位を決めてから選んでみてください。
「完璧な楽器は存在しません。人間と同じです。」
これは、私がお世話になっている調律師さんの言葉です。どんな楽器や個体にも、得意なことと同時に苦手なことがあります。
2. 最初に考えたい、「どのくらい吹きたいか」

フルート選びで私が最初に聞くのは、予算でも材質でもありません。
「どのくらい長く続けたいですか?」
「どのくらいのレベルまで上手くなりたいですか?」
この2つです。もしあなたが、完全に楽器の相場を知らない状態であった場合、あなたを困らせてしまうからです。しかし、この2つの答えで、フルートの予算や材質などの目安が大まかに見えてきます。
→ 5〜10万円台のエントリーモデルから。信頼できるメーカーの入門機で十分です。
→ 10〜20万円台。もう少し音に余裕が出て、練習の幅が広がります。
→ 20万円以上。最初からある程度のものを手にする方が、長い目で見てお得なことが多いです。
→ 20万円以上。しかしエントリーモデルではなく、中級者向けを推奨します。1人で購入に向けて動かず、選定など第三者のアドバイスを取り入れて判断するほうが良いと考えます。
どれが正解ということはありません。「自分はどこに当てはまるか」を考えてみてください。
- フルートに使われる金属は時価のため、価格は常に変動します。
- 本記事の価格は執筆時点(2026年6月)の参考値ですので、購入前には必ず販売店にご確認ください。
- 上位モデルはメーカー問い合わせ制となっているものも多く、定価が公表されていない(時価)場合があります。
3. これだけは避けてほしい!激安品について

メーカーを紹介する前に、一つだけ強くお伝えしたいことがあります。1万円以下、あるいは数万円の楽器は、当教室では非推奨です。何故なら、「修理時に影響が出る場合があるから」です。
フルート含め、楽器は「購入後、修理・調律を繰り返しながら使い続ける」ことが前提であり、「安価なものを買って、定期的に買い替えていくもの」ではありません。安価なものは、フルートの形はしていても、不具合が起こることがあります。また、実際に、同期で調律師の仲間から「〇〇さんの楽器、由佳が選定したの? 」と事情を聞かれたこともあります。
楽器は、直しながら長く使うものです。使い続ける中でメンテナンスが必要になるのは当然のこと。その時に「直せない楽器」では、どうにもならないのです。
信頼できるメーカーの、一定の値段以上のものを個人的には推奨いたします。
4. フルート初心者におすすめのモデル10選

では、予算帯別におすすめのモデルを紹介します。繰り返しになりますが、これはあくまで参考です。最終的には、必ず試奏して決めてください。
【5〜10万円台】とりあえず続けてみたい方へ
- 初心者の定番中の定番、世界中で使われているベストセラーモデル。
- 洋銀製で鳴らしやすく、Eメカニズム付きで高音域も出しやすい。
- 全国に修理・メンテナンス体制が整っているのも、初心者に安心なポイントです。
- 参考価格:税込99,000円前後
- 日本のフルート専門メーカー、パールの入門モデル。
- 洋銀製ながら上位モデルの設計思想を受け継いでおり、作りの丁寧さに定評があります。
- 参考価格:税込97,900前後
- アルタスのセカンドブランド。
- プレイヤーの間ではアルタスとは別の選択肢として認識されていると個人的には感じています。
- Zタイプ頭部管で音程が整いやすく、価格に対して本格志向の設計が感じられる。
- 参考価格:販売店にお問い合わせください。
【10〜20万円台】数年後の買い替えも視野に入れている方へ
- YFL-212をベースに、リッププレートとライザーを銀製にグレードアップしたモデル。
- 音の伸びと豊かさが増し、同じヤマハの入門モデルでも、一段上の鳴り方を体感できます。
- 参考価格:税込105,600前後
- 頭部管が銀製になり、音色に深みが出ます。
- 吹奏楽部や本格的な練習を見据えている方に。
- 参考価格:税込169,400円前後
- リッププレート・ライザーが銀製。
- パールらしい柔らかく豊かな音色が魅力。
- 中間モデルとして長く支持されているシリーズ。
- 参考価格:販売店にお問い合わせください
- 低価格帯でもソルダードトーンホールを採用し、芯のある音色と安定感のある吹きごこちが得られると評価されているシリーズ。
- リングキィ(キィに穴が開いている)・カバードキィ(キィに穴が開いていない)の選択肢があるのも魅力。
- 参考価格:販売店にお問い合わせください
【20万円〜】長く、本格的に続けたい方へ
- エントリーモデルでもハンドメイドシリーズと同じ設計の座金・キィカップ・キィメカニズムを採用しており、コストパフォーマンスの高さに定評がある。
- 頭部管には一般的な銀より純度の高い素材が使われているモデルもあり、芯のある豊かな響きが楽しめる。
- 参考価格:販売店にお問い合わせください
- 当教室の生徒さんの中にも、使用されている方がいるメーカーです。
- 中級者からの支持が厚く、頭部管銀製モデルから総銀製モデルまで幅広いラインナップがあるのが特徴。
- 丁寧な作りと安定した音程に定評があります。
- 参考価格:販売店にお問い合わせください
- 「一生吹きたい」という方への、最終的な提案がこの一本です。
- 当教室でも使用されている生徒さんがいらっしゃり、また、私も所有しているモデルのひとつです。
- 参考価格:販売店にお問い合わせください
5. 番外編:マテキフルート

新品では出会えませんが、是非知っておいていただきたいメーカーです。マテキは2019年に営業・製造を終了したフルートメーカー。当時から音大生にも愛用され、本格機として高く評価されていました。
現在は中古市場で取引されており、状態の良いものは驚くほどの高値がつくこともあります。出会えたら、それは一つのご縁かもしれません。また、当教室でも使用されている生徒さんがいらっしゃいます。
買い替え時の選択肢について
ここまでのモデルで楽器を選んで、その後さらに上位の楽器に買い替えるという方も多くいらっしゃいます。その際、最初の楽器を下取りに出す方もいますが、個人的には、手元にサブ楽器として残しておくことも推奨しています。メインの楽器に万一何かあった時やメンテナンス中に、もう一本あることで練習を止めずに済むからです。
最後に
メーカーやモデル、価格の話をたくさんしてきましたが、最終的に一番大切なのは「自分で息を入れてみること」です。同じメーカー・同じモデルでも、個体差があります。スペックや価格だけでは、その楽器があなたに合うかどうかはわかりません。
楽器店で試奏を断られることはまずありません。ぜひ実際に手に取って、音を出してみてください。「試奏したいけど、一人では何を基準に判断すればいいかわからない」という方は、体験レッスン時に是非ご相談ください。
yukita(ユキータ)フルート&ピッコロ音楽教室では、入会前に無料体験レッスンを実施しています(お一人様1回限り)。
楽器選びのご相談も体験レッスン内でお受けしていますので、お気軽にご相談ください。
補足情報
著者情報
フルートの楽器選びは、「どれが正解」という答えがないため、「あなたが楽器に何を求めるか」を明確にすることが大切だと考えています。これまでの経験から言えることは、「最初の一本」がその後を大きく左右するということです。
楽器に教わること・今の状態に合った楽器だから教えてくれることはたくさんあります。あまりに安価なものは推奨できませんが、良ければ・高ければ良い、訳でもないと個人的には感じます。
私の最初の1本目は、【Muramatsu(ムラマツ)EX】でした。頭部管しか吹けず、価値も知らず、今後の想像もついていない頃、父が選定してくれました。
楽器選びに迷っている方も、ご不明点がある方も、まずは一度お気軽にご相談ください。
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