“フルートの音出しが難しい”に向き合う
講師紹介
フルートを始めたけど、どうしても音が出ない…
そのお悩み、すぐに解決できます。
フルートの音出しは〈難しいこと〉とお思いではありませんか？ フルートの音を出すことは、実は他の楽器よりも簡単です。この記事をお読みいただいた後、その考えは変わっておられるでしょう。
講師として数々の生徒さんに関わらせていただく中で、「フルートの音を出すのは難しい」とお感じだった生徒さんがたくさんいらっしゃいました。そしてそれを解決して参りました。
この経験から、今回はフルートの音出しは〈難しいこと〉なのかどうか、簡潔にお話させていただきます。
1. 音出しの基本
フルートの音が出るしくみ
【どうしてフルートは音が出るのか】を、あなたはご存知でしょうか。これは、他の楽器とは少し違います。フルートは下記2つの息がぶつかることで音が発生するのです。簡潔に書くと、海流同士がぶつかって渦潮ができる原理と同じ、ということです。
2. フルートの外に出る息
息の使い方
初心者のうちは綺麗な音を出す前に、まずは音を出してみましょう。そのために、まずは息の使い方などは気にせず音を出して、【フルートを吹く】ということに慣れましょう。「ほー」と吹き、息をフルート内外に発生させると音が鳴ります。
2. よくある間違い
息の入れ方
上述の通り、全ての息を楽器内に入れると音は鳴りません。楽器内外に同時に息を入れ、出しましょう。
息の力
初心者が音を出す時にはあまり気にする必要がありません。まずは吹いて感覚を確かめてみましょう。
使用する部位
最初から頭部・胴部・足部管を全て組んだ状態で音出しを開始するのはやめましょう。これは、独学の方によくあることです。まずは頭部管のみを使って音出しをしてみましょう。
3. 具体的な解決策
唇の位置
リッププレートに開いている吹き口(歌口)に、下唇が少し被るくらいの位置にしましょう。
頭部管の角度
天井と並行か、少しご自身の額に向いている程度に留めましょう。
練習方法
「ほー」の音を練習
「ほー」と実際に声に出してみてください。次に声を出さずに「ほー」を、息だけを使って出します。そこに、〈たまたま〉フルートがついているだけです。
口笛の練習
フルートの音出しのために、口笛を練習する初心者さんもおられますが、これは推奨できません。口笛と、フルートの音が出る仕組みは違うため、口笛をやたらに吹くのはやめておきましょう。
音の出る瞬間を感じる
音が出たら、どの角度で吹くとフルートの音がより綺麗でふくよかなのか、音が出る感じを確かめながら角度を探っていきましょう。
独学の落とし穴
独学の方は特に、この2.3. のポイントがおざなりになっている傾向が強いように経験から推察いたします。基本ほど丁寧に行っていきましょう。
また、独学について少し記載しておりますので、宜しければこちらの記事も併せてお読みいただけますと幸いです。
4. 実践例
ステップバイステップのガイド
まずは頭部管のみを使用して音を出してみましょう。前述通り、この時に全ての息を楽器に入れずに楽器の外に出る息と中に入る息を同時に発生させることがポイントです。
息を強く吹いたり、弱く吹いたり、ジョイント部(胴管を接合する部分)を塞いだりして、合計3音を頭部管だけで出すことができます。
これに反して稀に、下を向く・フルートを自分の方に向けるなどして全ての息を楽器の中に入れようとする方もいらっしゃいますが、フルートの場合はそれでは音は出ません。イメージは下記のような感じです。
5. 追加のアドバイス
練習の頻度
初心者の場合、音出しと息を吹くことに慣れるため、なるべく、毎日数分でも良いので頭部管だけで吹くことをお勧めいたします。
フィードバック
特に音が出た後は、独自の癖を付ける前に綺麗な音を楽に吹けるようになるため、なるべく早い段階で講師や他のフルート演奏の愛好家などにフィードバックをもらいましょう。
リラックスすること
緊張やストレスによってフルートの音出しが上手くいっていないことも多くあります。これにより唇など様々な部位に力が入ってしまい、音が出ないことに直結しており、緊張とストレスを緩和することで解決し、音が出ることも…。
最後に
再確認
音出しが難しいのは、フルートでなくともどの楽器でも、初心者なら誰でも経験することなのです。しかし、これを解決するには方法はもちろん、【どうしてフルートは音が出るのか】を知っておくことが意外と大切なのです。
大概は初心者向けの教本の最初に記載されているものですが、読まれない方も多くいらっしゃいます。今回の記事でご紹介した方法が、あなたの音出しの解決のヒントとなれましたら幸いです。
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あなたの声をお待ちしております
フルートの音が既に出ているあなたが、どのように最初の音出しの段階を解決できたのか、もし宜しければご経験をお聞かせください。経験や感じ方は十人十色。同じものは存在しないのです。当時のあなたが感じたこと・今のあなたが感じることを、ご共有いただけますと嬉しく思います。
著者情報
「初心者のうちにこれをやっておけば」と感じることが、あなたにも少なからずあるはずです。私にもあります。私はこれを、少しでも少なくしたいのです。特に最初の音出しは今後に大きな影響を及ぼすので、ここで学ぶことはしっかりとしたものであってほしいと願っています。
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