ブランクが怖くて迷っているあなたへ。「またフルートを吹きたい」を叶える10のヒント

講師紹介
学生時代のフルートが、実家の押し入れで眠っている。
もう一度吹きたいのに、「昔みたいに吹けなかったらどうしよう」「毎週は通えないけれど、続けていけるのかな?」と不安がある方は少なくありません。
再開を迷う方からはブランクと同時に、今の自分に合った戻し方が分からない、という言葉をよく伺います。
この記事では、再開でつまずきやすいポイントと乗り越え方を10個にまとめました。
1. まず手放そう。「昔の自分」との比較が悩みの原因だった

大切なポイントを、ここでは下記の2つに絞りました。
- 比べる相手を「昔の自分」ではなく「今日の自分」にする
- 一人で抱え込まず、楽器と身体(息)を少しずつ整えていく
過去にフルートを演奏していたあなたの、実力やモチベーション・目的・心身の状態などと、今のあなたを比較しないでください。体格・目的・取り巻く環境など、全てが違うからです。これを比較し、「過去の状態に戻す」ということが少しでも目標になると、中・長期的に「過去に比べて、悪くなっている・良くなっていない」と考えることが始まってしまいます。
再開されるあなたにお聞きしたいのは、「過去にフルートを演奏していた際、誰の助けも借りず、教えられることもなく、フルート演奏していたか?」ということ。そうではなく、部活の先輩・フルートを習っている友達・切磋琢磨するセクションの仲間や先生方など、沢山の人との関わりの中で演奏することや方法を学んだはずです。
あなたも、あなたの周囲の状況も変化しています。「前にできていたから大丈夫」「ここまではできるはず」と、関係を切り離さないでください。過去の最適解を今の最適解に変換するため、講師や奏者・今の楽器と新しい関係性を築くことを心に留めておいてください。
レッスンの回数も同じです。レッスン回数は、新しい情報や修正・深堀りをする頻度やスピードに大きく関わります。大切なのは「月に何回通うか」より、「次のレッスンまでの間をどう過ごすか」。
レッスン回数が月1回でも月2回でも、この考え方は変わりません。
2. 「昔みたいに吹けない」を解消する!ブランク再開10のポイント

① 「吹けない」のは当たり前!今の身体に慣らしていこう
学生時代は簡単に吹けたフレーズでも、息が続かない、指が動かない。構えるのが大変だったはずなのに、フルートを構えるのが簡単。それは自然な変化です。
学生時代、あなたはどれくらいの頻度で、何時間練習していましたか? それが長らく絶えていたのですから、大変で当然です。
以前より身長も高くなり、身体も発達した。身体も成長されたのだから、フルートを構えるのが簡単で当然です。しかし、当時の癖(肩を上げてフルートを支えるなど)は残っていることが多いのです。
そして、それは今のあなたには必要のないことです。
比べる相手を「昔の自分」から「今日の自分」に変えて、5〜10分フルートを触ることをを週1〜2回から始め、身体を慣らして、再度習慣をつけていきましょう。
② 音が出ない原因は?「鏡で5秒」歌口と唇をチェック
音が出ない、かすれた音しか出ないときは、鏡で唇と歌口の位置を確認します。まずは中音域のAを、4拍(♩=60)で安定させる練習から始めましょう。そして、同時に確認してほしいことがもう一つあります。
顔・唇とその周辺の、どこに、どのように力を入れて、どんな風にアンブッシュアを作っているか?
ここにポイントがない人は、私の経験上いません。何もしなくて良い人もいません。初期段階で、何をどうして、どのようにして音を出そうとしているのか、しっかりと観察して掴んでおきましょう。
③ 長年眠っていた楽器は危険?吹く前の状態確認と点検
再開前は、必ず楽器店で楽器の点検を受けましょう。
フルートには金属の他、自然素材も使用されています。保管場所や状態によっては、細かなタンポの交換やキーの調整から大掛かりなオーバーホールまで、必要なことが変わってきます。蓄積されたホコリや、酸化した油も綺麗にする必要があります。
自己判断せず、どの程度の調整が必要なのか、楽器店などのメンテナンス室に持ち込んで状態を確認してください。
④ 無理な練習はしない。まずは「楽に息を流す身体」をつくる
高音が出ない、音色が安定しないときは、楽器の状態やアンブッシュアの他に、演奏時の身体の状態も確認してみてください。
力みはありませんか? 正しく効率良く、呼吸が楽にできていますか? 息を途切れさせずに、流し続けられていますか?
これらの他、フルート経験があり、ブランクを再開する方は、過度に基礎練習を詰め込みすぎないことも大切と考えます。以前使用していた教本を出して、いきなり再開するのではなく、まずは身体の状態やアンブッシュアを確かめ、最適化してから息や指・音色に特化した教本を再開しましょう。
⑤ 定番の2調から脱出!全調に触れて演奏の幅を広げよう
個人的に、吹奏楽ご経験者様に特に多い印象を受けるのが、「調性を知らない」「♭が1〜3つの調号のものしか知らない」といった、調性への理解の偏りです。当教室では、全調に触れることを推奨しています。
楽譜を見ると戸惑う、♯系や♭系が苦手という方は、吹奏楽でよく使う2調だけでなく、すべての長調・短調に少しずつ触れてみましょう。そして、調に関する法則やルールに、当教室で触れてみてください。
欧州では、全調に色や人物の特長・性格や得意なことなどがあります。24人、新しい友達ができると思うと億劫かもしれませんが、明確なルールや相関性・友達になる方法があります。当教室では、ここで挫折した方は今までに1人もいらっしゃいませんので、ご安心ください。
⑥ 練習は長時間じゃなくてOK!1回15分から始めるコツ
長く練習し、疲れると、続けたくなくなるのは当然です。あなただけではありません。脳にとっても、この練習法は非効率であり、痛みや故障のリスクもあるため、当教室では推奨していません。
フルートに触れる習慣がついたら、1回15〜20分を、休憩を挟んで2ブロック、合計35〜45分程の練習を週1〜2回ほどにしてみましょう。最初の10分はロングトーン、次の10分は音階など、目的をはっきりさせると集中できます。
「今日は気分が乗らないな」という日は10分だけ、でも問題ありません。好きな曲だけ吹く、という時間は重要であり、音楽を楽しむという本質だから。
私は学生時代にこれを欠いた際、「ユカは何のためにピッコロを吹くの? フルートは人のために吹くの? 自分のために吹いてるんでしょ?」と静かに諭されたことがありました。それくらい、大事なことなのです。
⑦ 途中で音が出なくなったら「ため息+深呼吸」でリセット
突然音が出なくなったら、まずため息で体の力を抜き、腹式呼吸を数回。楽器を持たずに息だけ吐いてから、優しい低音で再開しましょう。
これは、単にフルートに入れる息の質の話しだけではありません。あなたの身体や脳をリラックスさせるために、とても大切なのです。
⑧ 「1曲完成」より「週数回の短時間練習」を習慣にしよう
目標を立てても達成できず挫折してしまう方は、曲の完成よりも、練習習慣の定着を目標にしましょう。カレンダーやリマインダーで見える化し、小さな成功を積み重ねてください。
人は誰でも、一気に飛躍してジャンプしたくなります。しかし、これはとても難しいばかりか、そのプロセスで得られたはずの「楽しみ」も、糧に出来たはずの「納得」も、全て得られず、感じられません。
⑨ 一人練習の限界を感じたら、プロのフィードバックを活用しよう
一人で練習しても上達しているのか分からないときは、月1〜2回のレッスンで、講師や奏者からフィードバックをもらいましょう。
月1回のペースなら、休みの日と前日に、5分だけ前回の宿題を。練習を録音しておく、聞きたいことを1つメモしておく。この3つで、60分がぐっと濃くなります。
勿論月2回レッスンを実施するほうが上達スピードも理解度も格段に上がりますが、レッスンに通う・練習などの週間がない方や月2回のレッスンを検討しているかたには月1回のレッスンコースがおすすめです。また、アンサンブルや楽団に参加し、仲間と刺激し合うのも良いでしょう。
⑩ 人生経験が音色になる!ブランクは「大人の強み」
技術が落ちたと感じたときは、そこに焦点を当てずに、理由を探し当ててください。仕事が忙しかった、心の余裕がなかったなど、何か仕方ない理由だったのではないでしょうか。
人生経験で感じる感情の機微を音楽に活かしてみてください。同じ涙でも、声を上げて泣く悲しみと、静かに流れる涙では、表現が変わります。そこに発生し、感じる感情が違うから。あなたが日常や人間関係などの中で感じることの全てが、あなたの音楽の糧になるのです。
10のポイントの中でも、③の楽器の状態は費用に関わるため、次の項目で詳しくお伝えします。
3. 「私の楽器、まだ使える?」再開前に知りたい状態チェックと費用

タンポやコルクなどの消耗部品は、使っていなくても少しずつ傷みます。長く仕舞っていた楽器は、まず点検と調整から始めましょう。費用は傷みの程度で変わり、予算に合わせて状態の悪い所から直す方法もあるため、楽器店などで相談しましょう。
まずはケースを開けて、フルートを吹いてみてください。吹き心地に違和感があっても問題ありません。下記を確認し、再開前に調整に持ち込む際や、予約を取る際にとても重要な情報になるため、きちんと工房に伝えましょう。
- 音程感に違和感はないか
- キィに動きにくい所はないか、きちんとタンポが塞がっているか
- カビやホコリなどが溜まっている部分がないか
- タンポの破れなどがないか
- 変な匂いがしないか
- 湿っぽい感じがしないか など
買い替えを迷うときは、フルートの買い替え時の判断基準にもなることもあります。
4. 一人で抱え込まないで。自分に合った練習ペースとレッスンの選び方

一人での再開は気楽な反面、昔の癖が残り、悪化しやすい・迷ったときにこれで合っているかわからない、などの側面があります。基礎の「なぜ」を確認し直すだけで、吹き心地が変わることも多々あります。そして、ここで対応が遅れたり間違えると、後に「フルートって疲れる、大変」「どうすればいいのかわからない」「身体が痛い」など、大きな問題に発展することも。
当教室では、1回60分・対面でもオンラインでも受けられる月1回のコース(通常月額5,500円)と、月2回の初心者コース(月額11,000円)をご用意しています。
月1回コースはワンポイントレッスンのような位置づけで、下記のような方におすすめです。
- 独学で学んでいる・いた方
- 毎週の時間は取れないけれど、プロに見てもらいながらワンポイントレッスンで続けたい方
- 月2回レッスンを検討中
- 楽器のレッスンに通うことが始めての方
- まずは講師との相性を確かめたい方
- 練習習慣がない・レッスンに通う習慣がなく、継続に不安がある方
月2回コース(または追加レッスンでこれ以上)は、下記の方々におすすめです。
- 継続してフルートを学びたい方
- 基礎をしっかり学びたい方
- 正しい奏法を身に着けて癖を取りたい方
- 音楽表現の幅を広げるため、これができる土台づくりをしたい方
- ブランクを早めに取り戻したい方
- 曲の完成を目指したい方
どちらが合うかは、体験レッスンで一緒に考えましょう。ご自宅で演奏できないときは、音楽スタジオや公共施設も活用してみてください。疲れや痛みが出たら、無理せず休みましょう。
練習場所に関しては、下記も是非ご一読ください。
5. 再開は過去の再現じゃない。「今のあなた」だから響く音がある

ブランクは障壁ではありません。身体は思っている以上に覚えています。最初は音が出にくくても、指が追いつかなくても、「できなくなった」のではなく「久しぶりで慣れていないだけ」です。
特に、10代半ばまでや、20代前半までに一生懸命に取り組んだことや習慣だったことは、身体は勿論、脳もきちんと覚えています。忘れていません。「暫く使わなさそうだから」と、引き出しの奥に仕舞い込んでいるだけなので、これを取り出せばいい話なのです。
ただ、奥に仕舞い込んでいるため、どこにあるか探す・内容を理解し直すのに少し時間が必要なこともあります。しかし、それだけです。
目指すのは昔のあなたの再現ではなく、これを土台にして、今のあなただからこそ吹ける音楽・フルート演奏を、今に最適な状態・形に再構築すること。学生時代は先輩や楽譜に合わせていた方も、今は「この曲が好きだから吹く」と自分で選べます。
忙しい時期があっても、止めてしまうより、続けられるペースで小さく繋ぎ、継続するほうが遠くまで行けます。そして、何より新たな発見と楽しみがずっと続きます。できることから少しずつ、始めてみましょう。
最後に
再開の第一歩は、小さくて大丈夫です。楽器を開けて、息を入れてみる。それだけでも立派な再開です。yukita(ユキータ)フルート&ピッコロ音楽教室では、入会前に無料体験レッスンを実施しています(お一人様1回限り)。無料体験レッスンでは、月1回・月2回のどちらが今の生活に合うかも、あなたの現状やお気持ちを伺いながら、一緒に考えましょう。
ブランクからの再開のご相談も、どうぞお気軽にお聞かせくださいませ。
また、毎週は通えない方に向けた「月1コース」(1回60分・対面/オンライン)を、11月3日まで、キャンペーン価格の月額3,980円(ご入会から3ヶ月間)でご案内しています。まずは無料体験レッスンで、ペースが合うかをご確認いただけます。
補足情報
著者情報
「久しぶりすぎて恥ずかしい」「ちゃんと音が出るかどうかも分からない」というご相談は、無料体験レッスンでもよくいただきます。そんなときこそ、一歩踏み出すタイミングだと私は感じています。そのお気持ちを抱えながら体験にお越しいただけたことが、私達は何より嬉しいのです。
再開される方の多くは、「ブランクがある自分を見られること」「できないことを人前で露呈すること」を心配されています。しかしレッスンは、できないことをできるようにする場であり、だからこそ私がいます。最初の音が出なくても、全く問題ありません。遅くとも数回のレッスンが終わる頃には、綺麗な音が出るようになっています。
毎週は通えない方も、ご自身のペースで無理なく続けられる形を一緒に考えます。ブランクからの再開でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
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