「先生、音出た。ちゃんと出た」涙と共に届いた言葉
講師紹介
フルートへの憧れを、ずっと心の片隅に持ち続けていた方がいました。別の楽器を演奏しながらも、フルートの音色がどうしても気になって仕方がない。
でも、大手音楽教室で体験をしたら、こう言われてしまったそうです。
「あなたにはフルートは向きません。音を出すのはかなり難しいと思います。」
それでも諦めきれなかった彼女が、yukita(ユキータ)フルート&ピッコロ音楽教室の門を叩いてくれました。
1. 楽器経験者でも、 音が出ないことは珍しくない

彼女はすでに別の管楽器を長年演奏されており、楽譜を読むことも、楽器の扱いも問題ありませんでした。ただ、フルートの音の出し方は、経験されていた楽器とはまた別物です。
リードが振動して音を助けてくれる楽器と違い、フルートは主に唇の角度と息の方向で音を作ります。そこに、フルート独自の「コツ」がある。
加えて、この生徒さんはアンブシュア(音を出すときの口の形)に、少し工夫が必要な状態でした。一般的な作り方をそのまま当てはめると、音が出にくい。それは事実です。
でも私には、「だから無理」とは思えませんでした。
骨格も唇の形状も、人それぞれ違います。その方に「一般的な方法」が合わないとき、対症療法的な指導を重ねても根本的な解決にはなりません。その方専用のアプローチを組み立てることが、長期的に見て唯一の近道です。
何が、どこに、どう影響しているのか—— それは体験レッスンの時点で、私には既に見えていました。
2. 体験レッスンで行ったこと

体験レッスンでまず意識したのは、「自分にはフルートは無理」という思い込みを、そっとほぐすことでした。完璧に音を出すことよりも、「あ、ちょっと出た」「続けたら出せそうかも」と感じてもらえることを優先しました。そしてレッスン後、今後のカリキュラムの大枠をお伝えしました。
彼女の良い点、これから一緒に育てていける点、そしてどのように進めていくか。「音が出ないことはない、断言します。時間はかかるかもしれないけれど、できないことはない。音はちゃんと出ます。」と、そうお伝えしました。そして彼女は体験後、入会を決めてくださいました。
3. 2回目のレッスンで、『何か』が変わった

「フルートが吹けるように、音が出せるようになりたい。叶うなら綺麗な音が出せるようになりたい」それが、当初からの彼女の希望でした。よって、1回目のレッスンでは、その希望に向かって、基礎や土台を整えることに集中しました。
体験レッスンの復習をしながら、身体の使い方と息の流れをじっくり確かめました。管楽器を長年演奏されてきた経験があったからこそ、身体の使い方の感覚を掴むのはとても早かったのが印象的でした。これは、このレッスンでの大きな手応えのひとつでした。
そして2回目のレッスン ——体験レッスンを含めると通算3回目—— のこと。狙った音域の、狙った音が、しっかりと鳴りました。かすれた音でも、雑音混じりの音でもなく、芯のある音として。
「おおお、やったあ! 音出ましたね!」と私が歓喜したと同時に、彼女はその瞬間に「先生、音出た。ちゃんと出た!」と泣き出しました。しばらくの間、私は彼女にティッシュを渡しながら隣で背中をさすっていたことを、今でもよく覚えています。嬉し涙と、文章にならない感動の言葉が、暫く止まりませんでした。
長い間憧れていて、「向かない」と言われ続けていたものが、ようやく手の届くところに来た瞬間だったのだと思います。
4. 管楽器の経験がある方へ、 少しだけ寄り道

吹奏楽やバンドで管楽器を演奏してきた方には、フルートを始めるうえで大きなアドバンテージがあります。
多くの管楽器のパート譜はト音記号で書かれており、楽譜はそのまま読めます。さらにフルートは、記譜した音がそのまま実音として鳴る楽器。移調楽器に慣れていた方が「楽譜と耳の距離が近くて新鮮」と感じるケースは少なくありません。
こうした経験の積み重ねは、音そのものを作る練習に集中できる余裕につながります。この生徒さんが2回目のレッスン(通算3回目)で音を出せたのも、 長年の演奏経験が土台として活きていたからこそでした。
フルートに興味が出てきた管楽器経験者の方には、ぜひ一度話を聞きに来ていただきたいと思っています。
5. 「難しい」と「無理」は、 まったく別の話

大手教室の先生が「難しい」と言ったことは、嘘ではなかったと思います。一般的な指導法では、確かに難しい状況だったと、今このブログを執筆しながらも感じます。しかし、「難しい」と「無理」は、全く別の話です。
人にはそれぞれ、一般的な方法がそのままではしっくりこないことがあります。骨格や性別、既往歴や唇の形など、人それぞれ違うからです。例えそれが親子であろうとも。
そのときに必要なのは、一般論ではなくその方だけのアプローチです。スイスへの留学を経て私が改めて確信したのも、まさにそこでした。身体の使い方や息の流れなど身体的特徴に属すること、感覚の受け取り方などの精神的な部分は、お一人おひとり、違うのです。
それを丁寧に見ていくことが、yukita(ユキータ)の「完全個別指導」のコアにあります。「音が出るか不安」という方こそ、まず無料体験レッスンでお話を聞かせていただけたら嬉しいです。
補足情報
著者情報
私のレッスンでは、良く笑い、感情表現が豊かになられる生徒さんがたくさんいらっしゃいます。レッスン後のお話が盛り上がることも、音楽以外の、プライベートなことをご相談いただくこともしばしばあります。そして、涙を見せてくれる生徒さんも。
内容は様々で、それはすべて私の胸の中だけに仕舞うものです。生徒さん方からの信頼の証として、大切に受け取っています。しかし、『これまで拝見した中で一番美しく、嬉しく、尊い涙は?』ともし誰かに問われたら。
私はきっと、この生徒さんの、この昇華の瞬間の『歓喜と解放の涙』と答えるでしょう。
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