「独学でもフルートは練習してるのに」習い始めて心も音も変わった

努力は本物だった。足りなかったのは、見てくれる人だけだった。

講師紹介

由佳先生

今回は、独学でフルートを練習しながら吹奏楽団でも活動していたMさんの成長記録をお届けします。

フルートを独学で始める方は多く、また、そこで壁にぶつかる方も多いのではないでしょうか。

Mさんのご了承をいただいたうえで、一部詳細をぼかしてお届けします。

1.【体験レッスン】「練習してるのに、なんで…」

無料体験レッスンの問い合わせをMさんがくれた時、こう書かれていました。「3年前から独学フルートを練習しており、基礎力の向上のためレッスンに通いたいと考えています。」

3年間。毎日ではなかったとしても、向き合ってきた時間があったのだと思います。

他の楽器経験もある。楽譜も読める。それでも「何かが足りない」という感覚が、ずっとおありだったのかもしれません。

体験レッスンで初めてお会いした時、Mさんは静かにこう話してくれました。「息が続かない音が汚い。吹奏楽団のセクションのみんなは音がきれいなのに、自分はそうじゃないことが嫌で。3年練習して、それでもまだ届かない。

その悔しさを抱えたまま来てくださった方でした。

実際に吹いてもらって、すぐにわかりました。楽譜も読め、意欲もある。しかし、呼吸の仕方や構え方、基礎の土台などが整っていなかった。

独学で3年間、誰にも確認してもらえないまま、積み重ねてきた時間と努力。その懸命さが、逆に身体の癖として深く刻まれていました。

Mさんの場合、何が問題なのかは体験レッスンの時点でほぼ見えていました。ただ、どの順番で、どこから手をつけるか。それを丁寧に見極めてから、一緒にスタートしました。

2.【入会〜半年】一人ひとり、原因も処方箋も違う

レッスンが始まって、まず向き合ったのは「なぜそうなっているのか」でした。息が続かない、音が荒い。これは結果です。

大事なのは、【なぜそうなっているのか】を、その人の身体と演奏の中から読み解くこと。例えば、同じ「音が荒い」という悩みを持っていても、原因は人によって全く違います。だから当教室は、カリキュラムもアプローチも、毎回その人のためだけに組む完全オーダーメイドのレッスンなのです。

Mさんに必要なことと、他の誰かに必要なことは、似ているようで違う。そして、Mさんの場合、口まわりだけでなく、身体の別の部分にも強い力みが出ていました。他楽器の経験の影響もゼロでないようにお見受けしたが、一番大きかったのは、独学で積み重ねてきたことでした。

誰も教えてくれなかったから、自分なりに考えて続けてきた。闇雲に繰り返してしまったこともあったのでしょう。その積み重ねが、フルートには合わない使い方として染み付いていた。

教本も複数冊使いながら、身体の使い方を丁寧に整えていきました。

そして、Mさんはよく練習される方でした。追加レッスンを希望される月もあったくらい、熱量を持って取り組んでくださっていました。半年が経つ頃には、基礎の大枠が整い、も少しずつ変わり始めていました。

3.【半年〜1年】基礎が整うと、見える景色が変わる

基礎が整ってくると、レッスンの中身が変わってきます。

細かい微調整へ。音色の探求へ。指回りへ。

Mさんは意欲的に、どんどん踏み込んでいきました。ただ、癖というのは一朝一夕では取れません。調子が良い日と悪い日で、音に差が出ることもあります。

コンスタントに良い状態が出てこないことへの悔しさは、Mさんの表情やお言葉にも、はっきり出ていました。「何故できないんだろう」という、自分への苛立ちのようなものを感じることもありました。しかし、その悔しさこそが、Mさんを動かしていたとも感じています。

独学時代に深く刻まれたものと向き合い続けたMさんが、状態を知り、方法を知り、身体の使い方を丁寧に積み上げてきた。これがあったからこそ、次の扉が開いていきました。

当教室のレッスンでは、フィジカルの土台が整ってきたら、自然と音楽的なことへも目が向くようになっていきます。「きれいな音を出したければ、こう身体を使う」から、「この曲のこの場面では、このような息を使う」へ。Mさんにそのタイミングが来たのも、ちょうどこの頃でした。

4.【1年以上〜】「まだ中級に上がれませんか? いつ上がれますか?」

しばらくして、Mさんから「中級に上がりたい」と希望がありました。私も、そろそろ中級に上がっていただくタイミングが来たと感じていました。Mさんの今の実力を鑑みると、もう初級ではカバーしきれないというタイミングに差し掛かっていました。

当教室では、生徒さんから希望がある場合、初級から中級へ移る時は私からもタイミングをお伝えするようにしています。

中級では、初級で積み上げてきたことをマルチに活用して応用していくからです。情報量も増え、初級ではOKだったことが、中級ではそうでなくなることもある。Mさんにそのことを伝えると、こんなお言葉が返ってきました。

「わかりました。じゃあ中級に上がって問題なさそうになったら言ってください。」そしてしばらく経って、「まだですか?」と。この言葉とこの時の表情が、私はとても印象に残っています。

上手くなることに、自分の時間もお金も使いたい。自己投資自己研鑽が、Mさんにとってはとても優先順位の高いことだったのです。そういう方なのだと、改めて感じた瞬間でした。

実はその2ヶ月ほど前から、中級でも問題ないと考えており、これはタイミングを見極めながらお伝えしようと考えていました。

2024年か2025年頃、Mさんは中級に昇級され、以降は身体の使い方や構え方などの意識が益々深まったと感じています。

5.【現在】「録音したら、棒吹きだった」——その言葉の意味

中級に上がられてから、Mさんは音楽表現の部分にも取り組まれています。どう表現するか、どう感じるか、それをどうアウトプットするかなど、最初は戸惑いがあったように感じます。身体の使い方には真剣に向き合ってきたMさんに限らず、「音楽的にどう感じるか」を言葉にしたり、「こう感じる部分でどう身体を使えば、自分の考える音楽表現ができるか」を実践することは、また別の話なのです。

しかし、少しずつ変わられています。教本の例題で、自分で強弱を書き込ん来られるようになりました。「ここはpで」「ここはfで終わる」と、自分なりに考えて持ってくる。

そんな中、あるレッスンでMさんがこう話してくださいました。「自分が吹いているのを録音したら、思った以上に棒吹きになっていて、びっくりしたんです。」以前のMさんならその事実に、まず悔しさが来て、悲しまれていたかもしれない。しかし、今は違います。

これを受け止めて、「ではどうするか?」に自分から目を向けられていた。自分の音や音楽を客観的に聴ける耳と、自身の美意識音楽表現に意識を向けられるようになってきた。そしてその事実を、次への燃料にできるようになったということ。

それがMさんの、今の姿です。

一時期お休みしていた吹奏楽団にも、復帰されました。そして今、Mさんには一つ目標があります。来年、コンクールに出ること。

独学3年、レッスン開始から数年が経って、Mさんの音もMさん自身も、まだまだ変わり続けています。

最後に

独学でフルートを続けて来られた方へ。「練習しているのに変わらない」、その壁には、必ず理由があります。そしてその理由は、お一人おひとり違います。

だからレッスンも、一人ひとり違うのです。Mさんのように、自分だけのカリキュラムで向き合い直すことで、音も、フルートとの関係も、変わっていきます。

yukita(ユキータ)フルート&ピッコロ音楽教室では、入会前に無料体験レッスンを実施しています(お一人様1回限り)。まずはお気軽にご相談ください。

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補足情報

著者情報

日本は、フルート演奏人口がとても多い国ですが、正しく基礎をしっかりと教われる環境は、思っているより少ないように個人的には感じます。

誰かに確認してもらえないまま練習を続け、身体に癖が染み付いていくことは、中長期的に見た場合に大きなネガティブ要素となると考えています。

基礎は、どの段階になっても、どれだけ上手くなっても、ずっと使い続けるもの。私自身も、欧州在住時にこれを痛感し、今も基礎はとても大切にしています。

そして今日も、生徒さんお一人おひとりに真剣に向き合い続けています。独学経験がある方も、伸び悩みを感じている方も、まずは一度ご相談ください。

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岩崎 由佳 / Yuka Iwasaki

川崎・横浜を拠点に音楽の世界を広げるフルート講師。情熱と技術を融合し、個々の才能を最大限に引き出します。あなたの演奏が輝く瞬間を、今から一緒に創造しましょう。

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